晴美の就活3-3

3.恥ずかしい
「もう用意はしてあるの。冷蔵庫の中のタッパーを出していただける?」
晴美は冷蔵庫の前でしゃがんでドアを開けた。
大型の冷蔵庫なのでなにもしゃがまなくても取り出せるのだが、そうすると美代子に向ってお尻を突き出すことになる。
「ねぇ、そういう格好で、よくするの?」
美代子はレンジで温めたものをお皿に盛りつけながら、晴美に聞いた。
そういう格好をよくするのかと聞いているわけではない。
そういう格好で、よくするのかと聞いているのだ。
美代子は、完全に晴美と慎吾がそういう関係なのだと決め込んでいる。
「いえ…」
晴美は、その後をどう言っていいのかわからない。
美代子の声は、隣の居間の慎吾にも聞こえているはずだ。
「これ、テーブルに並べてくださる?」
晴美は、美代子が盛ったお皿を居間のテーブルへと運んだ。
慎吾がじっと見ている。
晴美は、お皿をテーブルに並べると、背中を壁に向けて後ずさりをするようにキッチンに戻った。
「恥ずかしい?」
後ろ向きでキッチンに戻った晴美の背後で美代子の声がした。
(えっ?)
晴美の背中にぴったりと美代子が張り付いてきた。
「奥様…」
美代子は、晴美のエプロンの胸当ての中に手を差し入れた。
「男の人ってキッチンとかで、よくこうしない?」
美代子が人差し指と中指で晴美の乳首をはさんで、他の指で乳房をもむ。
美代子が性的に興奮しているのは晴美にもわかる。
“はい”と答えれば、美代子の行為はおそらくもっとエスカレートするに違いない。
“いいえ”と言えば、盛り上がっている美代子に水をさすことになる。
(奥様、やめてください)
晴美の視線が慎吾の視線とぶつかった。
「恥ずかしいです…」
晴美は、顔を伏せた。
背中に押し付けられた美代子の乳房が円を描くように動き始める。
「ごめんなさい。でも、わたしはこういうのが好きなの。嫌ならそう言って…」
美代子の右手が下にさがり、エプロンの脇から股間に伸びてくる。
「だめ…」
晴美が、小さな声でそう言って腰を引くのに合わせるように、美代子は下げた右腕を元の乳房に戻し、今度は逆に左手を後ろから股間に差し入れた。
自分からお尻を後ろに突き出したような格好になった。
美代子の指は、なんの抵抗もなく、すっと晴美の中に吸い込まれた。
(ああ、だめ…)
ここで感じてしまうわけにはいかない。
そんなことになれば、ますます美代子の行為がエスカレートする。
晴美は、美代子の指が、深く入らないように突き出したお尻を元に戻そうとするが、そうできないように美代子は晴美の中に挿入した中指と薬指と外の親指で晴美の股間をつかんだ。
不意に美代子の親指が晴美のアナルの上に乗った。
「ああっ…」
美代子の親指がアナルに食い込んだ。
晴美は、思わず前のめりになり壁に手をつく。
「晴美さんもわたしと同じかもしれないわね」
美代子が今度は晴美の耳元で囁いた。
(濡れてる…)
いくら感じないように心でそう思っても、身体は正直な反応をする。
そこがもう十分に濡れていることを晴美も知っていた。
「ねぇ、今度は、わたしに同じことをしてくださらない?」
美代子は、晴美にそう囁いて、ワインを持って晴美の前に回った。
晴美の前に立てば、そこは居間だ。
「テーブルに行きましょう?」
晴美は先に歩く美代子の後ろをついて歩いた。
(同じことをここでするの?)
テーブルにワインのボトルを置いた美代子が、そのままの姿勢で待っている。
しないわけにはいかない。
晴美は、美代子の背中に寄り添うと、エプロンタイプのワンピースの胸元に脇から両手を差し入れた。
美代子の胸の前で腕を交差させ、右手で美代子の左の乳房を左手で右の乳房をもんだ。
胸当てはすぐに中央により、美代子の左右の乳房があらわになる。
慎吾が身を乗り出した。
「晴美さん。お願い、あそこを…」
さきほど美代子のされたように、晴美は美代子の後ろから少し横にずれて立ち、左手を降ろし、指を二本前に差し入れて、さらに親指をアナルに食い込ませた。
美代子のアナルは、晴美の親指を第一関節まですんなりと飲み込んだ。
(奥さん…)
晴美は当然ながら他の女性のその部分に指を入れたことなどない。
ましてアナルなど、なおさらだ。
初めての指の感触。
美代子の興奮に引きずられるように晴美もだんだん昂ぶってきていた。
「奥さん」
慎吾が立ち上がり、美代子の唇に顔を近づけると
「だめよ、慎吾さん。あなたは晴美さん」
(そんなぁ、奥さん、いいんです。いいんですよ、わたしじゃなくて…)
「…ですね」
慎吾が晴美の横に立った。
慎吾の手が晴美の乳房と股間に伸びる。
美代子の手が慎吾の股間に伸びていることに晴美は気づかなかった。

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