広美の思惑3-4

4.誰だ?
静子は、俊一が放出しても、足の力を緩めない。
俊一の首に腕を回して、ぎゅっと抱きついたまま動かない。
静子の心臓の鼓動が、乳房越しに俊一の胸に伝わってくる。
いった後の、この感触がたまらない。
だが、2度目の放出で、さすがに今度はしぼんでいくのも早い。
静子の愛液もすぐに冷えて冷たくなる。
俊一がむっくりと上体を起こすと、静子は腕を解いた。
「シャワー浴びるよ」
「だめ。わたしがきれいにしてあげる」
静子も起き上がり、俊一と体を入れ替えた。
「ねぇ」
「うん?」
「目隠ししていい?」
「目隠し?僕に…?」
「ええ」
静子がアイマスクを俊一にあてる。
「いいけど…」
目隠しをすればどうなるのか、興味はあった。
静子が俊一に目隠しをする。
「腕を縛っていい?」
「縛るのか?」
「どんな気分か、味わって」
「ああ」
俊一は静子や広美がしたように腕を上に伸ばした。
静子がその腕を軽く縛り、ベッドの脇にある金具に留めた。
(ふっ…なるほど…こんな感じか)
腕が頭の上で固定されると、お腹から下が、ものすごく不安になる。
見えないとなおさらだ。
正直、いい気分ではない。
きれいにしてあげると言ったとおり、静子が小さくなった俊一のものを口に含んだ。
静子は、それを口の中、舌先でくるくるといいように扱う。
くすぐったいような、そうでもないような…なんとも妙な気分だ。
俊一は腰を引いて逃げるが、静子の口がそれを追いかけた。
「ちょっと、待っててね。わたしはシャワー浴びるから」
そう言って、静子が離れる。
(放置か…)
急にピアノの音がした。
“音楽でも聴いてて”ということなのだろう。
なにもすることのない俊一は、ここに来る前に、広美に対して抱いた気持ちを整理しようと思ったが、ここに来たときとは、もう気分がまるで違っている。
(どうでもいいか…)
正直言って、広美のことを考えるのが面倒になっていた。
どのくらいの時間がたったのか、また、口の中にペニスを咥えられた。
音楽のせいで足音が聞こえなかった。
静子なのだろうが、俊一は、せっかく目隠しをしているので静子ではない別人だと思おうとした。
(誰がいいか…もしかして広美だったら?)
自分がそうしたように、これがもし広美だったら?
そんなことはありえないだろうが、それはそれでおもしろい想像だ。
そんなことを想像したせいか、なにか口の中の感触が、静子とは違うような気がしないでもない。
(まぁ、ちっちゃいからな…)
いつもなら、ぱんぱんに張り切った肉棒での感覚だが、今は、最小の状態だ。
しかも、時間が経過して、さっき、静子に舐めてもらったときより鈍感なっている。
感覚が違って当然だ。
小さいままのペニスを丁寧に舌で転がす。
(おいおい、3回は無理だよ)
少しは多きくなったが、勃起と呼ぶには程遠い。
今度は、何かでそれを擦りだした。
(何だ?…顔か?)
顔で俊一のペニスを擦っている。
初めての体験だが、なかなかいい感じだ。
ペニスの付け根がきゅっと痛んだ。
(こりゃ、やりすぎ警告だな)
俊一のペニスがいくぶん大きくなって擦りやすくなったのか、鼻のラインにあわせてぷっくりした頬をぎゅっと押し付けて擦る。
(3回できるかも…)
まだふにゃふにゃしているが、確実に固さを増してきているのが自分でもわかった。
(えっ?)
足音がした。
(誰だ?)
動こうとする俊一の足がぎゅっと抱えられた。
同時に、俊一の口に誰か女の口がかぶさる。
(女?だれだ?…広美?まさか…)
キスしてきた女が耳元で囁いた。
「わたしよ」
静子の声だ。
(じゃぁ、舐めてるのは誰?)
「びっくりした?お友達が来たのよ」
「誰?」
「内緒」
「まさか…」
「後で紹介するわ」
そう言うと、静子は俊一の顔にまたがり、俊一の顔に股間を押し付けた。
暖かくじゅわーっとした感触が俊一の顔の上を行き来する。
顔を擦られ、顔で擦られる。
俊一のものがむっくりっと立ち上がり始める。
連続というわけではないが、それでもわずか3~4時間のあいだで3回目だ。
ただ、できることならもう一回したい。
俊一は切にそう願った。
俊一の足を静子が両脇に抱えて、俊一のお尻を浮かす。
顔に擦り付けていた女は、浮いた俊一のお尻の下に枕を差し入れて、俊一のお尻の穴を舐め始める。
ペニスは、今度は静子の口の中だ。
もう一回したいという俊一の願いはかないそうだ。
静子の口の中で俊一のものは、どんどん膨らんでいった。

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